75~78ウォーカーズ再結成~2000 Solo Works
75~78 ウォーカーズ再結成 |
1975年、ジョン、スコット、ゲイリーの三人で8年ぶりのウォーカーズ再結成を果たす。
それぞれに、色々な事情があったのでしょう。スコットは72年メッテと結婚し、一女を設けるがこの年離婚していた。また、ビジネスの面でもまったくの八方ふさがりの状態ではあった。ジョンはニュー・ウォーカー・ブラザースを結成し、地方のクラブなどでライブを行っていたが、リード・ヴォーカルが亡くなる不幸があったりして頓挫していたようだ。これが、何かの間違いで、スコット死亡説が流れたらしい。それはともかく、この時期往年のグループの再結成ブームもあり、ウォーカーズの「No Regrets」は全英7位、アイルランドで5位、ドイツで7位、ベルギーで10位となるヒットを記録する。「スコットがヒットチャートに返り咲いた」と話題になりました。アルバムの「No Regrets」も全英49位、オランダで13位とこちらもヒットになりました。彼らも精力的に活動、海外のテレビにも出演し、セールス・プロモーションに貢献しました。 ところが、翌年10月にリリースされた「Lines」では彼らの活動は聞こえませんでした。アルバム中の1曲「We're All Alone」がオランダのみシングルとしてリリースされ32位にチャート・インしただけにとどまっています。 77年にはGTOレコード自体に経営の行き詰まりがあり、ウォーカーズとしては最後に好きなものをやろう、とのスコットの提案で「Nite Flight」の制作にかかる。 ここでスコットはなんと8年ぶりに自分のオリジナルをリリースすることとなった。 案の定この当時、話題にもならず売上もまったくの結果となった。そして再結成されたウォーカーズは78年に再び解散となる。 |
80年代 Solo Works |
80年代にウォーカーズの再評価が始まる。確か記憶では税務署の納税推進のコマーシャルだったように思います。「涙でさようなら」が使われ、たぶん「Make It Easy On Your Self」のフレーズが気にいられたんでしょう。そういえば、「キングズ・バーガー」のコマーシャルで「No Regrets」を使われた時も後悔がないのフレーズが決めてだったんでしょう。
そんなウォーカーズ、そしてスコットの再評価の中でジュリアン・コープが「Fire Escape In The Sky: The Godlike Genius Of Scott Walker」をリリース。すべてスコットのオリジナルによるベストアルバムであった。前作「Nite Flight」が一部であれ高い評価を受けてスコットにヴァージン・レコードから声がかかり84年に10年ぶりのソロアルバム「Climate of Hunter」をリリースする。当初はヴァージン・レコード設立以来最低の売れ行きと言われたが、最終的には全英60位にランク・イン。このアルバムでスコットはオーディエンスを無視するかのような独自の世界を展開する。これ以降彼の作品は、一貫してこの路線を突き進むこととなる。 |
90~00 Solo Works |
93年フランス映画「可愛いだけじゃダメかしら」の主題歌と挿入歌を歌う。両方ともスコットの作詞で、曲はゴラン・ブレゴヴィチがつけています。95年にも映画「To Have and to Hold」で挿入歌としてディランの「I Threw It All Away」をニック・ケイブの要請で歌っています。この時期スコットに対する評価が以前とは一変しているようでした。
そして95年5月11年ぶりとなるアルバム「Tilt」をリリース。全英27位にチャート・インする。またアメリカにおいてもDrag Cityレーベルよりリリースされました。
このアルバムに影響を受けたフランスの映画監督レオス・カラックスが99年の「Pola-X」の音楽をスコットに依頼する。スコットにとっては30年来の希望が叶った時でした。 99年にはまた、世界的な映画007シリーズの「The World Is Not Enough」のエンディングテーマとして「Only Myself to Blame」をDavid Arnoldより要請があり、歌いましたが、映画本編ではカットされてしまいました。 2000年にはUte Lemperのアルバム「Punishing Kiss」のプロデュサーと楽曲「Scope J」と「Lullaby」(日本盤のみ)をプレゼントする。全英104位にチャート・イン。 またニュー・ミュージカル・エキスプレス誌が「今世紀最後の最も影響を与えたアーティスト」でスコットは13位にランクされる。 ハイライトは2000年メルトダウン・フェスティバルのホストを務める栄誉に輝く。 ここにきてスコットは全盛期と言われる67~69年頃よりもビッグな話題に賑わっている感じがしました。 |